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【Dell U2723QE/U2723QX】 デイジーチェーン機能を利用した4K60hzマルチモニター出力について

2024/04/22

DellU2723QXの外箱画像

しれっと買ったDell U2723QE/QXは最大4K60hz解像度を出力可能なデイジーチェーン機能があります。ですが、どうにもこの機能を実際に使用している人がレビュアーの中に居ないようで。
他のレビューを読んでも、「4Kに対応している」とか「対応している」とだけ記載されている事が多くて、「こうすれば使えるで」って記事が無い。

というわけで、自分が実際に使ってみただけの記事です。実際にこの機能を使うとなるとUSB規格周りや対応ケーブルで色々頭を悩ませる事になったのですが…

そもそも「デイジーチェーン」とはなんぞや。

デイジーチェーンとは日本語訳すると数珠つなぎって意味です。もうちょっと書くとPC側のDisplayportまたはAltMode対応のUSB-Cポートから対応モニターを介して、別のモニターへデスクトップを拡張できる機能です。細かい話はEIZO様のサイトがしてくれてます。

今のところ対応しているのはWindows10以降と一部Linux系OSのみです。Appleシリコン系Mac(M1 / M2 系統)はDP版デイジーチェーン非対応です。

※注:デイジーチェーンにはThunderbolt接続を利用したデイジーチェーンとDisplayport MST(Multi Stream Transport)を利用したデイジーチェーンの2種類あり、今回紹介するのはをDisplayport MST使用したデイジーチェーン接続です。

検証環境

所有しているT14Gen2 AMDのUSB-Cポートは、仕様書を読むと「データ転送・Power Delivery 3.0・DisplayPort™(以下DP) 1.4a」に対応。

検証用のケーブルとしてAnker 515 USB4 USB-Cケーブルを用意しました。240W給電対応・8K60hz出力(おそらくDP2.0?)・40Gbpsの転送速度で使用できるUSB4認証パッシブケーブルです。

※手持ちのUSBケーブルが認証品であればhttps://usb.org/productsで型番を「AdvanceFilter → MODEL/PART NUMBER」に入力すると、どういった仕様で登録されているか確認出来ます。

今回は機材の都合上、同じモニターで検証しますが、2枚目のモニターは別になんでもOKです。変換ケーブルも使用可能です。

接続について

U2723QE/QXのマニュアルには以下のような記載があります。
DellU2723QXのマニュアル切り抜き
https://www.dell.com/support/home/ja-jp/product-support/product/u2723qx-monitor/docs
まあ…正直この記載内容で分かる人は、この記事にたどり着いていないでしょう。
図にすると
デイジーチェーン接続の説明
こういう事。最大解像度の場合は3つ目以降のモニターは規格上映らないはずです。映ってもなにかおかしいとか一定周期で暗転するとか。

文字にすると「PC側が対応してたらU2723QXともう1枚のモニターまでデイジーチェーン機能で最大4K60hz解像度を映せるよ。」ということ。

問題なのは、どうすれば両方のモニターで上の図の最大解像度で出力できるのか。
PC側・接続ケーブル・モニター側、それぞれの条件が以下の通り。
  • PC側の必要条件
    「DP v1.4以上のDisplayport搭載でMSTをサポート」または「USB-C ALTModeでHBR3(DP1.4)をサポートするUSB-Cポート」

  • ケーブルの必要条件
    ・Displayportの場合
        「DP1.4ケーブル」※出力PCとU2723QX間は変換ケーブル不可。末端のみ可
    ・USB-Cの場合
    「Thunderbolt3/4ケーブル」または「USB4ケーブルで8K映像出力に対応したもの」

  • PC側接続モニターの必要条件
    Displayport MST対応デイジーチェーン機能搭載のDisplayport / USB-Cポート」

ThunderBolt側の話やUSB-Cの細かい規格の話はすべて端折ってます。大体こんな感じと思って頂きたいです。

Displayportケーブルを使うなら、PC本体から末端モニターまですべてDP1.4ケーブルで揃えれば問題ないと思います。

※デスク向けグラフィックボード(GTX・RTX・Radeon系)だと製品によってMST対応しているもの・してないものが混ざっているそうな。(海外Reddit情報)自分のデスクトップ環境では未検証。

USB-Cケーブルの選び方

ひと癖あるのが、USB-Cで出力する場合。
USB3.2以前は規格ごちゃ混ぜ+メーカー独自仕様と環境が混沌としているので、目利き出来る人でないとハズレケーブルを引く可能性が非常に高いです。

オススメは下位互換のあるUSB4ケーブルですが、こちらも製品が出始めの時期ということもあり、詳細な仕様の記載が無いケーブルは基本「地雷ケーブル」と思ったほうが良いでしょう。

※最近のUSB-Cの仕様について詳しく知りたい方は下記リンク先が参考になります。

Thunderbolt3/4ケーブルであれば「規格全部載せケーブル」なので特段問題になるような事は無いと思います。だた1m以上のアクティブケーブルは別ですがね…(アクティブケーブルだとThunderbolt信号しか受け付けない製品があるんですよ…)

実機テスト

PCから対応モニターまではANKERのUSB4ケーブルで接続、出力先のモニターへはDisplayportケーブルで接続しています。
モニター接続
PC側の認識は以下の通り。
デイジーチェーン接続でのPC側認識情報

USB-CとDPで2枚とも4K60hz解像度で認識しました。マニュアル通りでしたね。
Win11から、モニター種類のところにどの接続端子で繋いでいるか表示されるようになったみたいです。地味ですが便利です。

ただ、ドック側から出力していた時より少しCPU使用率が上がりました。やっている事は専用ドックと変わらないはずなんですが、ドライバの相性でしょうか?
※気になってUSB3.2Gen2×2ケーブルで繋いだらU2723QXは4K60hz、2枚目は4K30hzになりました。ケーブルの帯域不足かと思われます。

まとめ:使い所を選ぶ機能

万人が欲する機能ではありませんが、かゆいところに手が届く機能です。
ケーブルを極力減らしたいとか、映像出力ポートが少ないノートPCでマルチモニター環境を構築したい人向けの機能ですな。
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